年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 323 | 104 | 141 | 238 | 575 | 929 | 1324 | 2787 | 1580 | 226 |
2020年度退院患者さんの人数を10歳刻みの年齢階級別に集計しています。年齢については入院時の年齢です。当院の入院患者さんは60歳以上に占める割合が72%、うち80歳以上が30%と比較的ご高齢の患者さんが多く占めています。
入院患者さんの疾患としては60歳~79歳までは呼吸器領域をはじめとする悪性腫瘍が多く占めています。80歳以上では、大腿骨骨折、心不全、誤嚥性肺炎などが多くを占めています。その他、当院は33の診療科を有していることが特徴であり、神経難病、血液疾患、脳卒中、間質性肺炎、股関節症、脊柱管狭窄症など幅広い疾患に対応しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040090xxxxxx0x | 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) | 65 | 4.71 | 5.83 | 1.54 | 0.91 | |
040100xxxxx00x | 喘息 | 40 | 5.43 | 6.24 | 0 | 3.5 | |
040070xxxxx0xx | インフルエンザ、ウイルス性肺炎 | 26 | 5.12 | 5.95 | 7.69 | 1.23 | |
0400801199x00x | 肺炎等(1歳以上15歳未満) | 19 | 4.74 | 5.76 | 5.26 | 1.79 | |
150040xxxxx0xx | 熱性けいれん | 17 | 5.06 | 3.83 | 0 | 1.65 |
感染性疾患、アレルギー性疾患等を中心に入院を受け入れております。近隣の先生方からの紹介患者様や夜間の小児救急(輪番制)の時間帯、救急車にて搬送された患者様の入院も多く受け入れております。専門的な治療を要する患者様や、自宅が当院から遠方の患者様については他病院に紹介(転院)させていただいております。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx97x00x | 肺の悪性腫瘍 | 191 | 12.87 | 10.47 | 0.61 | 72.59 | |
060160ⅹ001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) | 70 | 4.89 | 4.74 | 0 | 68.61 | |
060330xx02xxxx | 胆嚢疾患(胆嚢結石など) | 48 | 5.83 | 6.25 | 0 | 60.21 | |
090010xx010xxx | 乳房の悪性腫瘍 | 44 | 8.61 | 10.15 | 2.27 | 63.55 | |
060150xx03xxxx | 虫垂炎 | 41 | 5.15 | 5.40 | 0 | 39.59 |
消化器・呼吸器・乳腺疾患それぞれの専門医を中心に対象臓器の枠を超えて連携し、外科チームとして診療しています。特にがん治療では転移に対しても手術治療が考慮される場合などチームのメリットを活かし原発病変、転移病変と切れ目なく外科治療を行っています。
消化器外科では、胃がん・大腸癌・肝癌・膵癌などの悪性疾患に加え、胆石・ヘルニアなどの良性疾患、急性虫垂炎・胆嚢炎・イレウス・消化管穿孔等の急性腹症、呼吸器外科では肺癌を中心に縦隔腫瘍・胸膜疾患・気胸・膿胸など呼吸器疾患全般、乳腺外科では乳癌・乳腺良性腫瘍(線維腺腫・葉状腫瘍等)・乳腺膿瘍等の疾患を診療しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) | 90 | 23.32 | 23.02 | 12.22 | 76.53 | |
070343xx02x0xx | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。)腰部骨盤、不安定椎 | 61 | 17.55 | 12.14 | 7.36 | 75.61 | |
160800xx01xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 | 53 | 24.89 | 25.32 | 52.83 | 83.38 | |
07040xxx01xxxx | 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) | 47 | 22.38 | 20.63 | 14.89 | 67.94 | |
070343xx97x0xx | 椎間板変性、ヘルニア | 14 | 14 | 15.77 | 0 | 59 |
地域中核病院として他科の協力を得て、心疾患・呼吸器疾患など、様々な既往症のある方や高齢者に対する手術を行っています。主に変性疾患(変形性股関節症・変形性膝関節症・脊柱管狭窄症など)や大腿骨近位部骨折(大腿骨頚部骨折・転子部骨折)、下肢骨折、脊椎椎体骨折に対する急性期治療を行っています。また転移性骨腫瘍に対する手術も行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020230xx97x0xx | 眼瞼下垂 | 39 | 3.1 | 2.94 | 0 | 75.64 | |
070010xx970xxx | 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) | 23 | 4 | 4.66 | 0 | 46.39 | |
020320xx97xxxx | 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 | 5 | 3 | 3.11 | 0 | 62.8 | |
160200xx0200xx | 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) | 5 | 3.6 | 5.16 | 0 | 41.8 | |
080006xx01x0xx | 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) | 4 | 3.5 | 7.68 | 0 | 86.75 |
近年、眼瞼下垂は広く認知されるように、手術が増加しています。眼瞼下垂のほか、高齢化に伴い内反症(逆まつげ)の手術も近隣の眼科よりご紹介いただき、増加しております。眼瞼下垂を含む眼まわりの疾患、骨折を含む顔面外傷、良性・悪性腫瘍に対する手術は、いずれも術後のQOLに大きく関わるため、機能面、整容面の双方を考慮した手術・再建を行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010060×2990201 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) | 22 | 13.83 | 15.57 | 21.79 | 71.03 | |
010040x099000x | 非外傷性頭蓋内血種(非外傷性硬膜下血種以外)(JCS10未満) | 18 | 19.39 | 18.90 | 44.44 | 73.61 | |
010030xx9910xx | 未破裂脳動脈瘤 | 16 | 2 | 2.99 | 0 | 63.06 | |
010050xx02x00x | 非外傷性硬膜下血種 | 14 | 6.57 | 11.78 | 7.14 | 78.14 | |
010070xx01x0xx | 脳血管障害 | 12 | 15.91 | 13.73 | 16.66 | 71.33 |
脳神経外科では、脳血管障害に対する治療が主として行われています。脳梗塞は最も入院の多い疾患です。重症度にもよりますが、約14日で自宅退院やリハビリテーションのため転院となっています。3番目は未破裂脳動脈瘤に対して、カテーテルを用いた検査を行っています。脳内出血(2番目)も脳血管障害であり、手術を含めた急性期治療、早期のリハビリテーション、再発予防などの治療が必要となります。外傷による硬膜下血腫(4番目)では、多くが慢性硬膜下血腫の患者さんで、手術治療を行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030440xx01xxxx | 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 | 25 | 6.4 | 7.09 | 0 | 41.96 | |
030240xx97xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 | 22 | 8.27 | 8.62 | 0 | 28.27 | |
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 19 | 6.58 | 6.47 | 0 | 57.47 | |
030150xx97xxxx | 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 | 12 | 6.5 | 7.03 | 0 | 57.92 | |
030390xx99xxxx | 顔面神経障害 | 12 | 9.5 | 9.01 | 0 | 63.83 |
鼓室形成術や鼻副鼻腔手術、口蓋扁桃摘出術等の手術目的の入院だけでなく、突発性難聴や顔面神経麻痺に対するステロイド加療などについても積極的に受け入れている。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010160xx99x00x | パーキンソン病 | 37 | 14.32 | 17.86 | 13.51 | 72.32 | |
010155xxxxx1xx | 運動ニューロン疾患等 | 26 | 12.31 | 13.83 | 0 | 67.73 | |
010140xxxxx0xx | 筋疾患(その他) | 19 | 18.58 | 11.79 | 0 | 60.32 | |
010130xx99x4xx | 重症筋無力症 | 16 | 24.06 | 16.34 | 0 | 58.69 | |
010230xx99x00x | てんかん | 14 | 11.29 | 7.22 | 14.29 | 63.57 |
泉南地域における脳神経内科の基幹病院として髄膜炎、脳炎、脳症、痙攣性疾患、さらにはギランバレー症候群などの神経救急疾患に対応しています。その他、多発性硬化症、視神経脊髄炎、重症筋無力症などの免疫性神経疾患における血液浄化療法などの専門的治療にも対応しています。神経変性疾患においてはパーキンソン病における経腸持続Lドパ療法(デュオドーパ®)を得意分野としています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080010xxxx0xxx | 膿皮症 | 15 | 11.13 | 13.07 | 0 | 52.47 | |
080006xx01x0xx | 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) | 8 | 9.13 | 7.68 | 0 | 83.13 | |
080020xxxxxxxx | 帯状疱疹 | 6 | 7.17 | 9.22 | 0 | 68.33 | |
161060xx99x0xx | 詳細不明の損傷等(薬物アレルギー等) | 5 | 5.4 | 3.21 | 0 | 67.4 | |
080005xx01x0xx | 黒色腫 | 2 | 35.5 | 12.05 | 0 | 73.5 |
蜂窩織炎や帯状疱疹の感染症に関しては、点滴加療・安静が必要な場合に入院加療を行っています。悪性黒色腫・有棘細胞癌などの皮膚癌では手術侵襲が大きい場合に入院が必要です。蕁麻疹やアトピー性皮膚炎でも入院が必要となる場合があります。アレルギーの検査も入院で行う場合があります。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110080xx991xxx | 前立腺の悪性腫瘍(生検) | 107 | 2.07 | 2.50 | 0 | 71.78 | |
110070xx03x0xx | 膀胱腫瘍 | 84 | 7.19 | 7.02 | 1.19 | 74.56 | |
110080xx01xxxx | 前立腺の悪性腫瘍(手術あり) | 44 | 8.98 | 11.63 | 0 | 70 | |
11012xxx020x0x | 上部尿路疾患 | 41 | 4.39 | 5.56 | 2.44 | 65.54 | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 | 26 | 9.88 | 13.14 | 0 | 73.92 |
ロボット支援内視鏡手術の導入に伴い、前立腺癌の手術が増加しています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
12002xxx99x40x | 子宮頸・体部の悪性腫瘍 | 61 | 10.83 | 4.34 | 0 | 57.24 | |
120060xx01xxxx | 子宮の良性腫瘍 | 57 | 8.18 | 9.46 | 0 | 45.82 | |
120010xx97x40x | 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 | 48 | 6.12 | 11.15 | 0 | 66.08 | |
120070xx02xxxx | 卵巣の良性腫瘍 | 45 | 6.2 | 6.11 | 0 | 43.13 | |
120220xx01xxxx | 女性性器のポリープ | 39 | 2.95 | 2.87 | 0 | 46 |
婦人科癌として、子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌を主に扱っておりガイドラインに準じて治療を行っています。進行・再発悪性腫瘍に対しては、手術療法・化学療法・放射線療法を集約的に活用し治療成績の改善に努めています。卵巣癌ではPARP阻害剤による維持療法が導入され、再発予防に期待されています。一方、子宮筋腫、子宮内膜症などの良性疾患は身体に負担の少ない手術(腹腔鏡下、子宮鏡下手術などの低侵襲手術)に積極的に取り組んでいます。婦人科急性腹症や合併症で厳重な周術期管理を要するケースも扱っています。挙児希望のある患者に対しては妊孕性温存手術も行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx9910xx | 肺の悪性腫瘍 | 423 | 3.98 | 3.30 | 0.71 | 71.63 | |
040110xxxxx0xx | 間質性肺炎 | 94 | 20.6 | 18.42 | 4.26 | 73.37 | |
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸 | 52 | 2 | 2.03 | 0 | 56.94 | |
040170xxxxxx0x | 抗酸菌関連疾患(肺結核以外) | 30 | 11.93 | 9.34 | 0 | 70.3 | |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 | 28 | 25.71 | 20.57 | 42.86 | 84.21 |
呼吸器内科は肺・胸膜・縦隔の悪性腫瘍に対する診断部門を担っており、肺の悪性腫瘍の在院日数が短いのは診断目的の気管支鏡検査入院によるものです。近年、肺悪性腫瘍は増加傾向にあり気管支鏡検査の件数も増加しています。間質性肺炎は急性憎悪時の治療や、抗線維化薬の導入目的、在宅酸素療法導入目的など多岐に渡っています。また慢性閉塞性肺疾患(COPD)も同様に急性憎悪の治療や、在宅酸素療法導入目的での入院となっています。誤嚥性肺炎は罹患者の平均年齢が高く、回復に時間がかかり在院日数、転院率ともに高くなる傾向があります。早期に在宅療養や施設に戻れるように入院時より積極的にリハビリを行うようにしています。75歳以上の肺炎患者においても相当数は誤嚥性肺炎によるものと考えています。抗酸菌症関連疾患は肺非結核性抗酸菌症であり薬物療法導入目的に入院を行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050130xx9900xx | 心不全 | 71 | 16.15 | 17.35 | 8.45 | 82.25 | |
050050xx0200xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患(経皮的冠動脈形成術) | 53 | 6.49 | 4.36 | 0 | 71.77 | |
050070xx01x0xx | 頻脈性不整脈(経皮的中隔心筋焼灼術等) | 46 | 6.59 | 4.79 | 0 | 66.89 | |
050050xx9910xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患(心カテーテル法による諸検査) | 32 | 4.63 | 3.06 | 3.12 | 71.94 | |
050210xx97000x | 徐脈性不整脈 | 31 | 9.19 | 10.24 | 0 | 79.65 |
循環器内科では、急性冠症候群や心不全憎悪、不整脈など緊急対応を要する疾患の診療を中心として、慢性心疾患に対しても心臓リハビリテーションや食事療法、薬物療法など他職種連携を行い総合的に診療を行っています。心電図検査、心エコー、冠動脈造影CT、心筋シンチグラフィー、心臓カテーテル検査など高度医療機器を駆使して診断を行い、必要に応じて冠動脈や下肢動脈のインターベンション治療を行っています。不整脈については、頻脈性不整脈に対してアブレーション治療を行ったり、徐脈性不整脈に対してはペースメーカー植え込み術(リードレスペースメーカー含め)を行うなど患者様に応じた幅広い診療を行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
130030xx99x5xx | 非ホジキンリンパ腫(手術なし 化学療法あり) | 74 | 16.39 | 19.92 | 0 | 71.65 | |
130030xx97x50x | 非ホジキンリンパ腫(手術あり 化学療法あり) | 42 | 20.19 | 31.17 | 0 | 69.98 | |
130010xx97x2xx | 急性白血病 | 25 | 30.6 | 37.46 | 0 | 69.2 | |
130040xx99x5xx | 多発性骨髄腫 | 14 | 25.78 | 20.95 | 0 | 72.25 | |
130020xx97x3xx | ホジキン病 | 7 | 20.85 | 27.45 | 0 | 51.14 |
当院に血液内科を立ち上げて4年目になる。病床数21床で、そのうち13床はクリーンルームである。令和3年10月からクラス1000個室5部屋、クラス1万2部屋8人に増床された。当科は日本血液学会専門研修認定施設であり、研修医の教育研修機関である。また新規造血器疾患は全例日本血液学会に登録している。今年度の入院疾患は多いものから非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、急性白血病、ホジキンリンパ腫などの順で、造血器悪性腫瘍が主であるが、貧血性疾患や血小板減少症なども入院治療対象となる。造血細胞移植についても、日本造血細胞移植データセンター(当院は日本造血・免疫細胞療法学会 移植登録施設である)に全例登録しており、昨年度は非ホジキンリンパ腫や多発性骨髄腫に対する自己幹細胞移植4例、急性白血病に対する同種幹細胞移植2例の報告を行っている。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) | 153 | 2.12 | 2.65 | 0 | 69.42 | |
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 | 100 | 8.51 | 9.21 | 3 | 74.06 | |
060020xx04xxxx | 胃の悪性腫瘍 | 52 | 6.85 | 7.96 | 0 | 73.9 | |
060050xx97x0xx | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(手術あり) | 36 | 15.56 | 10.48 | 0 | 72.14 | |
060050xx99000x | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(手術なし) | 27 | 12.63 | 8.45 | 3.7 | 73.22 |
当院は平成30年4月より消化器内科(内視鏡)と肝胆膵内科と分けております。消化器内視鏡の件数は増加しており、治療必要な良性疾患・悪性腫瘍の患者数も増加しております。新設しました肝胆膵内科では指導医2名と若手1名の3名が常勤として診療にあたっています。肝癌に対する各種治療、肝疾患診断のための肝生検、ウイルス肝炎に対する経口剤治療などを行っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
070560xx99x00x | 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 | 28 | 27.67 | 14.75 | 0 | 63.11 | |
070470xx99x0xx | 関節リウマチ | 14 | 19.5 | 15.50 | 0 | 77.57 | |
– | – | – | – | – | – | – | |
– | – | – | – | – | – | – | |
– | – | – | – | – | – | – |
リウマチ膠原病疾患は同じ病名であっても、患者さんによって症状が大きく異なり、合併症も大きく異なります。また、患者さんによって社会的立場も異なります。近年、高齢化社会が進んできていますが、リウマチ膠原病患者さんも高齢化が進んできており、患者マネージメントにおいてより多くの課題に直面するようになりました。一人ひとりの患者さんに合う治療の選択が重要と考えられ、総合的な医療を行っていきたいと思います。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx99040x | 肺の悪性腫瘍(副傷なし 化学療法あり) | 149 | 6.72 | 9.07 | 0 | 68.22 | |
040040xx99041x | 肺の悪性腫瘍(副傷あり 化学療法あり) | 57 | 12.61 | 14.96 | 0 | 71.93 | |
040040xx9900xx | 肺の悪性腫瘍 | 56 | 13.98 | 13.12 | 0 | 71.84 | |
060035xx99x5xx | 結腸の悪性腫瘍 | 16 | 11.5 | 4.25 | 0 | 56.31 | |
060040xx99x00x | 直腸肛門の悪性腫瘍 | 10 | 8.4 | 9.37 | 0 | 60.9 |
当科は肺癌、消化器癌を中心に、肉腫、原発不明癌を含む悪性腫瘍(血液腫瘍を除く)と診断された患者さんの内科治療を行っております。免疫チェックポイント阻害剤、分子標的治療薬など通院での治療が主体となってきておりますが、入院が必要な治療に関しまして、肺癌、消化器癌を中心に化学療法を主体とした治療を行っております。また、新規治療に関する臨床試験にも取り組んでおります。2021年8月にがんゲノム医療連携病院に指定され、当院でも遺伝子パネル検査及びがんゲノム医療を開始しております。泉州地域におけるがん治療の拠点病院として今後も取り組みを続けて参ります。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10007xxxxxx1xx | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)インスリンあり | 65 | 14.21 | 14.41 | 0 | 67.69 | |
10007xxxxxx0xx | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) | 18 | 14.38 | 11.15 | 0 | 64.14 | |
10006xxxxxx1xx | 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) | 12 | 15.41 | 13.42 | 0 | 57.91 | |
100180xx990x0x | 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 | 9 | 6.55 | 6.66 | 0 | 57.44 | |
100250xx99x21x | 下垂体機能低下症 | 5 | 9 | 8.54 | 0 | 44.6 |
糖尿病は教育入院から重症糖尿病性ケトアシドーシスまで対応しています。患者教育と適切な薬物治療に注力していますが、入院が必要な糖尿病患者さんはインスリン治療を必要とすることが多いのが現状です。副腎皮質機能異常、下垂体疾患など診断困難な内分泌疾患の診断治療も行っています。当科では糖尿病患者さんについで多い疾患は甲状腺疾患ですが、甲状腺疾患は入院を必要とすることが少なく外来診療が中心となっています。
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 41 | 14 | 12 | 15 | 58 | 31 | 1 | 8 |
大腸癌 | 14 | 28 | 23 | 11 | 55 | 39 | 1 | 8 |
乳癌 | 13 | 11 | 3 | 0 | 37 | 9 | 1 | 8 |
肺癌 | 113 | 20 | 72 | 150 | 142 | 142 | 1 | 8 |
肝癌 | 0 | 0 | 2 | 1 | 13 | 99 | 1 | 8 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
肺癌、消化管癌、乳癌を中心に5大癌に対する集学的治療を積極的に行っています。当院は緩和医療にも力を入れており、診断時から緩和ケアの視点を取り入れ、苦痛や不安を出来る限り取り除き、安心して治療を受けて頂けるよう取り組んでいます。緩和ケア病棟も有しており、緩和ケアを主体とした療養にも対応しています。
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 29 | 13.38 | 57.48 |
中等症 | 110 | 18.14 | 78.56 |
重症 | 22 | 33.86 | 82.86 |
超重症 | 0 | 0 | 0 |
不明 | 0 | 0 | 0 |
肺炎は重症になればなるほど在院日数が長くなります。本来は14日以内の退院が望ましいのですが、重症の場合は在宅酸素療法が必要となることもあり自宅環境を整える時間もかかります。できるだけ早期退院を行えるように、リハビリテーションや医療ソーシャルワーカー、ケアマネージャー等連携をとりながら診療を行っております。
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 100 | 16.32 | 73.89 | 26.72 |
その他 | 16 | 22.44 | 81.5 | 6.03 |
国民病ともいえる脳卒中。血管が詰まれば脳梗塞、血管が切れると脳内出血もしくはくも膜下出血となります。脳梗塞は血管が動脈硬化で詰まる血栓症と別の部位から塞栓物質が流れてくる塞栓症があります。脳出血は実質に出血をきたすため高血圧症や血管奇形が原因となります。くも膜下出血はくも膜と脳本体とのすき間に出血します。ほとんどが脳動脈瘤破裂によります。これまでに経験したことのないような激しい頭痛はくも膜下出血を疑う症状で緊急対応が必要となります。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K514-23 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) | 111 | 1.04 | 8.58 | 0 | 72.75 | |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 87 | 0.91 | 4.32 | 0 | 61.92 | |
K476 | 乳腺悪性腫瘍手術 | 62 | 1 | 6.25 | 0 | 62.01 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠経ヘルニア手術(両側) | 62 | 1.02 | 2.81 | 0 | 68.85 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲腫瘍を伴わないもの) | 40 | 0.5 | 3.68 | 0 | 39.65 |
地域がん診療拠点病院として肺癌・消化器癌(大腸癌・胃癌・肝癌・膵癌等)・乳癌に対する手術が増加しており、それぞれの手術の質、安全性の向上に努めています。2022年度より直腸がんに対するロボット支援手術も開始し、現在外科では、肺癌・胃癌・大腸癌に対してロボット支援手術を導入しています。
特に肺癌では、大阪府内でも手術数上位の実績があります。
また良性疾患、救急疾患に対しても、腹腔鏡、胸腔鏡を使用し、低侵襲で安全な手術を行っています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0821 | 人工関節置換術(膝・股) | 147 | 1.67 | 20.39 | 14.29 | 73.62 | |
K142-5 | 内視鏡下椎弓形成術 | 43 | 1.58 | 15.27 | 4.35 | 71.42 | |
K0461 | 骨折観血的手術(大腿) | 32 | 2.34 | 21.22 | 46.88 | 81.72 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術(股) | 23 | 2.87 | 21.43 | 43.48 | 84.48 | |
K131-2 | 内視鏡下椎弓切除術 | 22 | 1 | 14.14 | 0 | 71.86 |
当院の特徴は整形外科・人工関節センター・脊椎外科センターで変性疾患の専門的な治療を提供していることです。人工関節センターは全例で3D術前計画を行い、脱臼率が低く術後制限が少ない手術法を実施しています。またポータブルナビゲーションシステムを用いた手術も行っています。難易度の高い再置換術・高度変形症例、インプラント周囲骨折なども他院より受け入れ対応しています。脊椎外科センターは大阪府下でも少ない脊椎内視鏡専門医が椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症などに対して数種類の内視鏡・顕微鏡による除圧術を実施しています。脊柱変形に対する椎体固定術(前方・後方)などそれぞれの病態に適した手法を用いています。高齢者下肢骨折について受傷から極力早期の手術を行うことに努めています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
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K2191 | 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) | 30 | 1.37 | 1.17 | 0 | 75.77 | |
K2193 | 眼瞼下垂症手術(その他) | 10 | 1 | 1 | 0 | 74 | |
K0051 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2㎝未満) | 8 | 1 | 1.38 | 0 | 20.63 | |
K2172 | 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) | 6 | 0.83 | 1 | 0 | 58.16 | |
K333 | 鼻骨骨折整復固定術 | 3 | 0.66 | 1 | 0 | 35.33 |
近年、眼瞼下垂は広く認知されるように、手術が増加しています。眼瞼下垂のほか、高齢化に伴い内反症(逆まつげ)の手術も近隣の眼科よりご紹介いただき、増加しております。眼瞼下垂を含む眼まわりの疾患、骨折を含む顔面外傷、良性・悪性腫瘍に対する手術は、いずれも術後のQOLに大きく関わるため、機能面、整容面の双方を考慮した手術・再建を行っています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 24 | 0.25 | 6.79 | 8.33 | 78.29 | |
K1781 | 脳血管内手術(1箇所) | 11 | 0.82 | 7.73 | 0 | 60.36 | |
K178-4 | 経皮的脳血栓回収術 | 8 | 2.75 | 20.25 | 62.5 | 76.5 | |
K1692 | 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) | 7 | 3.14 | 19.43 | 14.29 | 71.71 | |
K6092 | 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) | 7 | 5.43 | 10.14 | 14.29 | 68.57 |
脳神経外科では、外傷後の慢性硬膜下血腫に対する局所麻酔での穿頭手術(1番目)が多く行われています。2番目に多い症例は、未破裂脳動脈瘤に対するカテーテル治療となっています。平均在院日数は約8日間で、治療後自宅退院されています。同じくカテーテルによる治療で、脳梗塞に対する経皮的脳血栓回収術が3番目となっています。75歳以上の方が多く、そのうち6割の患者さんが約20日間の入院治療の後、リハビリテーション病院へ転院となっています。脳梗塞の原因として頚部の血管から血栓が流れて起こるものがあります。頚部内頚動脈に大きなプラークがある場合、手術によりプラークを取り除く方法があります。(5番目)髄膜種などの良性腫瘍や悪性脳腫瘍に対しては開頭腫瘍摘出術(4番目)を行っています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 30 | 1 | 6.53 | 0 | 29 | |
K3191 | 鼓室形成手術(耳小骨温存術) | 19 | 1 | 4.37 | 0 | 38.89 | |
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) | 12 | 1 | 4.92 | 0 | 56.17 | |
K368 | 扁桃周囲膿瘍切開術 | 8 | 0.38 | 5.5 | 0 | 49.75 | |
K3192 | 鼓室形成手術(耳小骨再建術) | 7 | 1 | 4.57 | 0 | 52 |
習慣性扁桃炎に対する口蓋扁桃摘出術が最も多いが、耳科手術、鼻科手術等幅広く対応している。特に鼓室形成術は前年と比較し手術件数が増加した。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0072 | 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) | 9 | 0.22 | 10.56 | 0 | 82.78 | |
K0062 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) | 1 | 0 | 15 | 0 | 23 | |
K0071 | 皮膚悪性腫瘍切除術(広汎切除) | 1 | 7 | 30 | 0 | 67 | |
– | – | – | – | – | – | – | |
– | – | – | – | – | – | – |
悪性黒色腫・基底細胞癌・有棘細胞癌に関し、皮膚悪性腫瘍切除術を行います。切除範囲が広い場合には皮弁形成術や植皮術が必要になります。リンパ節に転移がある場合はリンパ節郭清術を行います。皮膚膿瘍や褥瘡では切開・デブリードマンを施行する場合があります。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) | 84 | 1.02 | 5.17 | 1.19 | 74.56 | |
K843-4 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) | 44 | 1 | 6.98 | 0 | 70 | |
K7811 | 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) | 41 | 1 | 2.39 | 2.44 | 65.54 | |
K800-2 | 経尿道的電気凝固術 | 15 | 1 | 3.93 | 0 | 71.73 | |
K773-5 | 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) | 12 | 1 | 5.58 | 0 | 65.67 |
ロボット支援内視鏡手術の導入に伴い、前立腺癌の手術が増加しています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) | 51 | 1.12 | 4.49 | 0 | 43.35 | |
K872-32 | 子宮内膜ポリープ切除術(その他) | 35 | 1 | 1.03 | 0 | 45.43 | |
K877 | 子宮全摘術 | 33 | 1.79 | 7.21 | 0 | 49.3 | |
K877-2 | 腹腔鏡下膣式子宮全摘術 | 32 | 1 | 6.1 | 0 | 47.43 | |
K867 | 子宮頸部(膣部)切除術 | 21 | 1 | 2 | 0 | 42.19 |
婦人科癌手術の多くはリンパ節郭清を同時に行っています。傍大動脈リンパ節郭清を含め徹底的な切除を行い、根治性向上とリンパ浮腫の予防に最大限の配慮を行っています。広汎子宮全摘出術では神経温存手術を多く行い、排尿障害の予防に努めています。また、初期子宮体癌は骨盤リンパ節郭清を含む腹腔鏡手術を行っています。良性疾患では子宮全摘出、筋腫核出や卵巣腫瘍摘出、附属器摘出術の多くは腹腔鏡手術で行うことが可能になっています。骨盤臓器脱手術では、仙棘靭帯固定術や腹腔鏡下仙骨膣固定術を併用し再発予防に努めています。低侵襲ロボット支援手術(ダヴィンチ手術)は2021年8月から導入され、着実に症例を重ねています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K488-4 | 胸腔鏡下試験切除術 | 34 | 3.5 | 16.21 | 5.88 | 75.21 | |
K6151 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) | 16 | 0.44 | 6.94 | 6.25 | 75.44 | |
– | – | – | – | – | – | – | |
– | – | – | – | – | – | – | |
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胸腔鏡下試験切除術は呼吸器内科が行っている局所麻酔下胸腔鏡による胸膜生検術です。胸水貯留の原因精査には必要な検査であり、この検査は日本呼吸器内視鏡学会の認定施設で受けるのが望ましいと考えます。血栓塞栓術は喀血患者の治療で行うもので、当院では放射線科の専門医師により治療を行っております。喀血の治療は緊急性が高く、気管支鏡検査、胸部造影CT検査を行い速やかに血栓塞栓術の適応を決定して行きます。呼吸器内科、放射線科医、看護師、放射線技師の連携が重要です。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) | 43 | 1.77 | 4.6 | 2.33 | 71 | |
K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) | 41 | 2.88 | 2.88 | 0 | 67.83 | |
K5972 | ペースメーカー移植術(経静脈電極) | 19 | 1.21 | 11 | 5.26 | 78.42 | |
K5492 | 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) | 13 | 0.08 | 6.15 | 7.69 | 75.54 | |
K597-2 | ペースメーカー交換術 | 11 | 0.09 | 7.36 | 0 | 82.55 |
侵襲的治療に関してはガイドラインを遵守し適応に応じて適切な診療を行っています。2021年度の冠動脈インターベンション治療は計82症例、徐脈性不整脈に対するペースメーカー植え込み術は計39症例、頻脈性不整脈に対するアブレーション治療は計47症例であり、良好な結果が得られています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2㎝未満) | 127 | 0.16 | 1.08 | 1.57 | 70.22 | |
K635 | 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 | 54 | 3.09 | 5.96 | 0 | 68.54 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 53 | 2.08 | 8.96 | 1.89 | 73.19 | |
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) | 50 | 1 | 4.88 | 0 | 73.96 | |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2㎝以上) | 40 | 0.08 | 1 | 0 | 66.85 |
当科では、食道・胃・大腸を中心とした消化管における診断・治療及び胆膵疾患に対する内視鏡検査・治療を幅広く行っています。消化管疾患については、IBD(潰瘍性大腸炎・クローン病など)専門外来を開設し、ポリープ切除や早期癌に対する高度な内視鏡治療(EMR/ESD)も積極的に行っており、消化管出血等の緊急性の高い疾患に対しては24時間で対応しています。胆膵疾患に関しては、内視鏡的ドレナージ法や胆管結石除去術などを積極的に行い、2021年4月からは、超音波内視鏡を導入し、穿刺吸引細胞診を含めたより高度な診断が可能になりました。2020年度からは消化器がん(食道・胃・大腸・肝胆膵)に対する抗がん剤治療、放射線治療も幅広く数多く行っており、診断から治療までの流れがスムーズに移行できる体制を整えています。また、離島へき地における専門的な内視鏡検査・治療・専門外来も行っています。
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | 2 | 0.02 |
異なる | 21 | 0.25 | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 4 | 0.05 |
異なる | 23 | 0.28 | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | 5 | 0.06 |
異なる | 16 | 0.19 | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 25 | 0.3 |
異なる | 5 | 0.06 |
肺炎、消化管穿孔、術後縫合不全などの感染症が重症化し、敗血症やDICという重篤な合併症を引き起こすことがありますが、人工呼吸管理、栄養治療、血液浄化法などの集中治療を行い、回復を図ります。手術の合併症については、起こりうる合併症について事前に十分な説明を行い同意を得たうえで術式を選択し、極力合併症を起こさないように努めております。真菌症感染については眼内炎などの重篤な合併症を引き起こす危険があるため、診断が遅れないよう留意し診療にあたっております。