医療関連感染防止委員会(ICC)の役割
- 基本的な考え
- 感染防止対策に院内全体で取り組み、患者さんとご家族をはじめ、病院に係わる全ての人たちを医療関連感染から守るため、標準予防策を基本とした感染対策を実施しています。
- 感染対策の組織
- 病院長を委員長とし、医療関連感染防止委員会(以下委員会)を設け、年13 回(月 例12+総会)定期的に会議を行い、医療関連感染対策について検討します。
- 感染対策の専門知識を持った医師、薬剤師、検査技師、感染管理専従看護師が協 力して感染制御チーム(ICT)や抗菌薬適正使用支援チーム(AST)を設置し、院内の 感染対策と抗菌薬の適正使用の推進に努めています。
- 教育
- 感染対策の知識と技術の向上のため、全職員を対象とした感染対策に係わる研修を 年2 回以上行います。
- 地域医療の連携
- 地域の医療機関と連携し、地域での感染対策を推進します。
地域の連携施設との合同カンファレンスおよび相互査察を定期的に行います。
- 地域の医療機関と連携し、地域での感染対策を推進します。
活動内容
- 医療関連感染防止委員会(ICC)の運営と調整
- 感染症(主に薬剤耐性菌)発生動向調査と情報発信、アウトブレイク時の対応
- 各種サーベイランス(監視)
- 手術部位関連感染(SSI)、カテーテル血流関連感染(BSI)、人工呼吸器関連肺炎(VAP)、尿路カテーテル関連感染(UTI)、抗菌薬使用状況、手指衛生遵守率等
- 抗菌薬適正使用支援
- 抗菌薬の長期使用や、特定の抗菌薬使用についての管理と支援
- 職業感染対策
- 職員のウイルス抗体価の管理とワクチン接種
- 針刺し損傷や粘膜への体液暴露時の感染対策
- 職員に対する定期的な研修、市民や地域施設に対する医療講演
- コンサルテーション
- 院内では随時受付、市民や地域施設からの相談にも応じています
- 行政(保健所等)や地域施設との感染防止ネットワーク構築
- 週1 回の定期院内巡回(ラウンド)
- 院内各部署をラウンドし、感染防止対策が適切に行われているか監視、支援する
ICT とは
Infection Control Team(感染制御チーム)の略であり、医療関連感染防止委員会内の 医師、看護師、薬剤師、検査技師、各小委員会担当者で構成され、多職種連携チームで感染対策活動を行っています。当院は感染防止対策加算1 の取得条件を満たしており、院内はもちろん地域での感染対策にも積極的に参加しています。
医療関連感染の防止、感染症患者への対応、流行感染症の情報発信、また職員への感染対策指導などを行っており、地域の医療機関や高齢者施設、市民からの問い合わせに対する感染対策指導も行っています。
AST とは
Anitimicrobial Stewardship team(抗菌薬適正使用支援チーム)の略であり、医療関連感染 防止委員会内に設置し、以下の活動により、抗菌薬の適性使用を推進します。
- 広域抗菌薬や特定の抗菌薬を使用する患者、菌血症の特定の感染徴候のある患者など感染症早期からモニタリングを実施する。
- 感染症治療の早期モニタリングにおいて、対象患者を把握後、必要に応じた治療薬物モニタリングの実施、微生物検査等の治療方針への活用状況などを経時的に評価し、必要に応じて主治医にフィードバックを行う。
- 培養検査の適切な検体採取(血液培養の複数セット採取など)や、施設内のアンチバイオグラム作成など微生物検査・臨床検査が適正に利用可能な体制を整備する。抗菌薬使用状況や血液培養複数セット提出率などのプロセス指標及び耐性菌発生率や抗菌薬使用量などのアウトカム指標を定期的に評価する。
- 抗菌薬の適性使用を目的とした職員の研修を少なくとも年2 回実施する。また院内の抗菌薬適正使用マニュアルを作成し、随時更新する。
- 院内で使用可能な抗菌薬の種類、用量等について定期的に見直し、必要性の低い抗菌薬について院内での使用中止を提案する。