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消化器外科 ロボット支援 胃癌手術を開始しました2021.9.10

近年腹腔鏡(ふくくうきょう)を用いた手術が胃がんの領域でも普及し、早期がん手術は多くの病院において腹腔鏡でされるようになりました。腹腔鏡手術はおなかを大きく切らずに、小さな傷から手を入れずに鉗子という細い道具を入れてつかんで引っ張ったり切ったりする操作を行います。また針と糸を用いて縫ったり結んだりという操作もこの小さな傷を通して行います。そのため開腹手術のように術者の思うままに操作するのが難しくなります。

手術支援ロボットダヴィンチ

がんの手術は他と違ってがんをばら撒かないような配慮が必要で、またリンパ節郭清(かくせい)といって胃のまわりの転移のおそれがあるリンパ節を、膵臓(すいぞう)などの大事な臓器を傷つけることなく確実にとってくるという高度な技術を必要としています。そのためガイドライン上はまだ一部の元々簡単な症例のみしか腹腔鏡手術はすすめられていません。

当院では2021年4月より手術支援ロボットダヴィンチを用いた胃がん手術を開始しました。

ロボット手術

基本的には腹腔鏡手術ですが、手術支援ロボットは3Dハイビジョンカメラによる鮮明な立体画像、7つの関節による人間の腕より多彩な動き、手振れの補正、スケーリング(手元の大きな動きをそのままの比率で縮小し術野では細かな動きをすること)といった機能を付け加えることで従来の腹腔鏡手術の欠点を克服することが可能となりました。

先進医療において合併症率が従来の腹腔鏡手術より低いというデータが得られ、2018年度より一般の保険診療として認められています(術者・施設基準あり)。

当院は胃がんの腹腔鏡手術およびロボット手術を専門とし指導医資格をもつ医師が常勤しており、現在一部の症例を除き進行がんを含めたほとんどの胃がん手術を腹腔鏡またはロボットを用いた手術としています。一人でも多くの患者様に小さいストレスで腫瘍学的に質の高い(がんを取り残さない)手術を提供して参ります。