中央検査科

スタッフ

2023年4月現在、常勤33名、非常勤1名の臨床検査技師が勤務しています。また、視能訓練士(常勤2名)が中央検査科に在籍しています。

検査内容

一般検査(3階)

一般検査室では、尿自動分析装置を用い尿中の蛋白や糖、沈殿物などを調べたり、糞便中の血液や寄生虫等を調べるほか、身体に針を刺して採取した胸水や腹水、髄液などの成分を分析する検査を行っています。
一般尿検査は、一枚の試験紙で10項目の成分の検査を測定することができます。糖尿病、腎臓疾患や肝臓・胆道系疾患、尿路感染症のスクリーニング検査として多用されています。

血液検査(3階)

全自動血液凝固測定装置(2台)、全自動血球計算装置(2台)を用い、 赤血球や白血球、血小板の数や血液凝固能(血液のかたまる能力)、線維素溶解能(血栓を溶かす能力) を調べ、貧血の状態や出血しやすい疾患の検査をします。
また、造血能力(血液を造る力)や細胞の異常を調べるために採取した骨髄の検査も行っています。
この検査では、白血病やガン転移など様々な血液疾患の情報を得ることが出来ます。

免疫血清検査(3階)

酵素免疫測定装置(6台)を用い、血液中の免疫グロブリン(免疫に必要な蛋白質)、腫瘍マーカー(腫瘍からでる成分)やウイルス性肝炎(BおよびC型肝炎)の感染の有無の測定、特定の臓器で作られ、全身の機能を調整する役割をもっているホルモン検査の測定も行っています。また、血液型や輸血する血液製剤が患者さまに適しているかを調べる交差適合試験なども検査しています。
他にも、血液のガン治療法の一つとして造血幹細胞移植を実施しており、特殊な機械を使用し、移植に必要な細胞を採取して調整する業務を担っています。

生化学検査(3階)

生化学自動分析装置や血液ガス分析装置を用い、各臓器(心臓・腎臓・肝臓・膵臓・脾臓など)の機能を調べたり、コレステロールや中性脂肪、痛風のときに血液中に増える尿酸や電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)など体液成分の測定を行っています。
また、呼吸障害や術後の患者さまの状態を調べる血液中の酸素や炭酸ガスも測定しています。

生理機能検査(3階)

ここでは、不整脈や狭心症などの心臓の状態を調べる心電図検査や長時間日常の心電図を記録するホルター心電図検査、喘息・手術前の検査としての肺機能検査を行っています。その他にも、動脈硬化を調べる血圧脈波検査や頭痛・けいれんなどの脳を調べる脳波検査、睡眠中の呼吸状態(睡眠時無呼吸症候群)を調べる終夜睡眠ポリグラフィー検査や神経の伝達の異常を調べる神経伝導検査なども行っています。
また、言葉や音を聞き取る力を調べる聴力検査も行っています。この検査は、難聴以外にも、めまいや耳鳴り、吐き気といった症状の原因を把握するためにも行われています。
2020年1月からは、臭覚検査の依頼にも対応しています。

超音波検査(3階)

超音波検査とは、人間の耳に聞こえない高周波( 約 2 〜 12 MHz )の音を体表から対象物(内臓や血管など)に当ててその反響を映像化する検査です。音を利用するため侵襲(痛み)がほとんど無く、安全性にも優れています。したがって、胎児や乳幼児にも適応があり、安心して受けられる検査です。以下に超音波検査領域と対象物を示します。

心臓超音波検査
(心エコー)
心臓本体及び弁の動きが正常であるか、心筋梗塞や弁膜症、先天性奇形がないか検査します。
腹部超音波検査
(腹部エコー)
主として、肝・胆・膵・腎・脾および腸管における腫瘍や結石の有無を観察します。
血管超音波検査
(血管エコー)
動脈硬化による頚部血管内膜肥厚・下肢動脈の狭窄 ・深部静脈血栓などの有無を観察します。
乳腺超音波検査
(乳腺エコー)
乳腺組織における悪性腫瘍の大部分は乳癌であるため、乳腺エコーでは主に乳癌の有無を検査します。

このように、当院の超音波検査室では、肺臓(空気が存在するため反響が得にくい)以外の臓器は可能な限り対応するように努めています。

病理検査(4階)

病理検査室では、病理組織検査と細胞診検査、術中迅速標本作製ならびに病理解剖を行っています。
病理組織検査は、内視鏡検査や手術などで摘出された組織や臓器を技師が処理を行い、プレパラート標本を作製した後、病理医が顕微鏡で観察して、病気の種類、両性・悪性の鑑別、手術で腫瘍が完全に取り除かれているか、転移の有無などを診断します。
術中迅速標本作製・診断は、手術中に採取された臓器の一部やリンパ節、体腔液などの検体を技師が短時間で処理して、プレパラート標本を作製します。これを病理医が顕微鏡で観察して、癌の種類や転移・残存の有無などを診断します。
細胞診検査は、尿や喀痰、子宮頸部、子宮体部等の検体を処理してプレパラート標本を作製し、細胞検査士が顕微鏡で観察して、主にがん細胞の有無を判断し、病理医が最終診断を行います。