婦人科

治療について

子宮頸がん、体がん検診の今年度の変更点

従来子宮がん検診は市民検診の対象年齢の場合、他の保険診療(健康保健による)と同時に行ってきました。しかし今年からは市民検診と保険診療を明確に分離することになりました。なお子宮体がんの市民検診は不正性器出血があるヒト、または月経不順のヒトのみが対象となります。

例えば何かの主訴を持って来院された場合、医師が子宮がんの検診を必要と考え施行した場合にはたとえ対象年齢であっても保険診療となります。
なお市民検診(自費での子宮がん検診も含む)は予約制ですので、検診センターで予約して来院してください。ネット予約も可能です(詳細はこちら)。すべての日に市民検診枠が設けてあります。
また火曜日の午後には女性医師による乳がんと子宮がんの同時検診が可能となりました。
この外来は原則乳がん、子宮頸がんを同時に受けたい人を対象としていますが、予約枠が空いている場合、どちらか単独でも受けることが出来ます。
詳細は検診センターのホームページを参照していただくか、また電話でお問い合わせください【TEL:0725-41-1331 (代表)】

遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)症候群に関する遺伝相談外来を開設しました。

がんの発症には大きく分けて環境要因と遺伝要因があります。遺伝要因ががんの発症に強くかかわっているがんを遺伝性のがんといいます。遺伝性のがんは親から子に遺伝し、そのため家系内にがんが多発し、また若年に発症することが特徴的です。
遺伝性の乳がん・卵巣がんは各々5~10%程度と考えられています。
最近の研究により、これらの患者さまではBRCA1,BRCA2という遺伝子に病的変異が明らかとされてきました。そしてこれら遺伝子変異を検査し遺伝性の乳がん・卵巣がんの体質があるかどうかわかるようになってきました。
そしてこのような体質を持つ女性では生涯で41~91%が乳がんに、また8~62%に卵巣がんにかかるとされています。
遺伝子検査をして、このような体質が明らかとなれば、早期発見や予防といった適切な医療が可能となります。
特に次のあげるような人の場合遺伝子検査が勧められれます。

  • ・若年発症(目安:40歳以下で診断された)乳癌
  • ・トリプルネガティブ乳がん
  • ・同時性または異時性の同側/両側乳がん
  • ・卵巣がん
  • ・男性乳がん
  • ・乳がんを発症したことがあり、かつ次に当てはまる血縁者※
  • 乳がん(50歳以下で診断)を発症
  • 卵巣がんを発症
  • 乳がんまたは膵がんを発症(2人以上)
  • ※血縁者とは第1度、第2度、第3度近親者をさします。
  • 遺伝相談外来では乳がん・卵巣がんになりやすい体質(BRCA1/2に病的な異常)の可能性があるか、また遺伝検査が必要であるかご相談させていただきます。
    そして、ご希望ならBRCA1/2遺伝子検査もさせていただきます。その後検査の結果が陽性であれば今後どのような管理が必要か、また遺伝を引き継ぐ次世代の女性に対する管理などを相談させていただきます。

    遺伝相談をご希望の方は、まず病院に電話(0725-41-1331)し、遺伝外来受診希望と告げてください。遺伝相談医(梅咲)が折り返し連絡を取らせていただき、受診日、および時間をご相談させていただきます。

    なお受診時、添付している問診票(乳がん、また卵巣がんを発症された方用とこれらのがんを発症されていない方用の2種類の問診票があります)およびがん家族歴調査票に必要事項を記載したものを持参ください。添付書類を印刷できない方は、来院時受付でもらい記載していただいてもかまいません。
    なお本外来で行われるカウンセリング、および遺伝子検査は保険適応外ですので自己負担となります。費用は担当医からの電話連絡時、お問い合わせください。

    がん検診

    子宮ガンには子宮頸部に出来る子宮頸ガンと体部に出来る子宮体ガンがあります。いずれの検診も細胞診を行います。 子宮頸ガンの細胞診はほんの2~3分で出来ますし、苦痛もほとんどありません。あらゆる検診の中で最も有効な検診の一つです。また前ガン性病変も発見できます。

    子宮体ガンの細胞診は細胞を採取するため細い採取器具を子宮腔に挿入しますので、一瞬の軽い痛みを感じる事がありますが重要な検査ですのでがんばってください。どうしても痛みが怖い場合軽い麻酔を行うことも可能ですがこの場合一日の入院が必要となります。
    閉経後に不正性器出血のある方は特に子宮体ガンの検診をおすすめいたします。卵巣ガンは急に進行するものもあることから検診すれば全員が早期に発見できるという方法はありませんが、その診断のきっかけは卵巣が腫大していることであることから超音波検査を受けられることをお勧めします(自費となります)。超音波検査は子宮ガン検診の時に同時に受けられる事が適当でしょう。

    子宮頸ガン予防ワクチンについて

    子宮頸ガンの発症にはヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染が関係し、その感染を予防すれば子宮頸ガンにならない事がよく知られています。子宮頸ガン予防ワクチンはHPVの感染を予防するワクチンでその結果子宮頸ガンの予防が出来ます。 このワクチンは小学6年生から46歳までのご婦人に有効です。6ヶ月の間に3回の接種が必要です。
    ワクチンはサーバリックスとガーダシルの2種類があり、前者はHPV 16型、18型の予防に、後者はそれに加え6型、11型の予防にも有効です。これにより子宮頸ガン以外にコンジローマの発症も予防が出来ます。
    なおいずれのワクチンも、子宮頸ガンの発症に関係する15種類のHPVウイルスのうちの16,18型にのみ有効であるため、子宮頸ガン患者さまの70%ぐらいの予防に限られており、ワクチンを接種しても20歳を超えると子宮頸ガンの検診は必要である事は言うまでもありません。
    接種希望の方は来院して頂き、予約後に接種致します。

    成人病検診

    これは内科での成人病検診と一部重なることもありますが、婦人科領域の成人病検診の対象は、癌以外では高脂血症(特に高コレステロール血症)や骨粗鬆症などです。これらは閉経以降の高齢婦人に頻発する異常であり、その原因は女性ホルモン不足が大きな要因と考えられます。
    内科や整形外科でも治療は可能ですが、婦人科ではホルモンを補充するという根本的な治療を行っています。このホルモン補充療法は、時に子宮からの出血が起こることがあるために婦人科医師以外では実施しにくい治療法です。ホルモンを補充することにより、若返りますので、成人病になりにくいだけでなく、見た目にも明らかに若返ります。医学とは別に、美容的な意味からも明らかな効果がみられます。

    ホルモン異常・不正性器出血

    思春期
    中学生や高校生はまだ月経が不安定で、月経不順や異常な月経痛に悩んでいることは少なく有りません。そのような若い女性の中には、時に、若さが原因ではなく、何らかのホルモン異常疾患や卵巣腫瘍などが原因になっていることがあります。
    当病院では年令に応じた対応をしておりますので、若い患者さまも躊躇せずに受診され、不安を解消されることをお勧めします。最近多いのは極端なダイエットからくる無月経です。時に拒食症に進展すると精神的にも異常をきたしますので早めに受診して下さい。
    成熟婦人
    成熟婦人でも不正性器出血をきたします。これはホルモン異常(排卵障害など)、子宮腟部糜爛、子宮頸癌などが考えられますが、ガン検診で問題がなければ、ホルモン療法の適応となります。
    快適な毎日を過ごすためにも是非受診し、医師とご相談ください。

    子宮内膜症(腺筋症, チョコレート嚢胞)

    子宮内膜症とは子宮内腔にある子宮内膜が、本来存在する場所から離れたところで増殖する病気で、多くはダグラス窩という子宮の後面の腹膜に発症します。
    子宮内膜が卵巣で増殖するのをチョコレート嚢胞と呼びます。これは卵巣の嚢胞の内容物が血液で、チョコレートの色に似ているからです。
    また子宮筋層で内膜が増殖するものを子宮腺筋症と呼びます。これらの子宮内膜症は月経痛の主要原因として近年増加傾向にある疾患です。しかし生理痛がひどいからといって必ずしも子宮内膜症というわけではありません。そのため専門家の診察が必要です。 子宮内膜症は疾患の性質から、チョコレート嚢胞を除いて手術的に完全に治す事は非常に難しく、治療の中心は薬物療法になります。
    薬物療法は、鎮痛剤、ピル(ルナベル等)、ボンゾール、黄体ホルモン剤(デナゲスト等)そして女性ホルモンの分泌をとめるGnRHアゴニスト(ゾラデックス、リュープリン等)などがあります。これらを重症度や年齢、またお子様を望まれておられる方など種々の条件に合わせて選択していきます。
    GnRHアゴニストは強力に女性ホルモンの分泌を止めるため、それに伴う副作用もあり、それに対する対策も必要となります。本院では、専門家が患者さまひとりひとりのニーズに応じて最適の治療法を選択しております。チョコレート嚢胞はその大きさによって手術療法が選択されますが、多くは腹腔鏡下手術が選択されます。
    また最近のトピックスとしてチョコレート嚢胞は卵巣癌になる可能性が明らかとされており、そのため年齢や、大きさにより、以前と比べて積極的に手術療法が選択されるようになっています。手術が必要かどうかはよく専門家と相談してください。

    更年期障害

    日本人女性の平均寿命は世界第一であり、日本は世界一の長寿国です。
    しかし、たとえ長生きしても寝たきりや痴呆が始まっていたのでは後半の人生を十分には謳歌できません。女性は50歳前後で卵巣からの女性ホルモン分泌がなくなり、急速に老化現象が始まります。このホルモンの大きな変動に心身がついていけなくなり、体が火照ったり、肩凝り、不眠症、不安、イライラなどの多様な症状が出現するのを更年期障害と呼んでいます。さらに女性ホルモンの低下は高コレステロール血症から狭心症、心筋梗塞、脳梗塞の危険性を急速に高めます。神経活動は不活発化し、いわゆる「ぼけ症状」がでてきます。女性ホルモンの欠落は、種々の不定症状(身体の一部が痒い、違和感がある、排尿時不快感、など)を誘発するだけでなく、骨からのカルシウムの放出を早めます。骨は崩壊し、自分の体重に背骨は押しつぶされ、年とともに身長が小さくなります。背骨が不均等に押しつぶされると腰が曲り、元には戻りません。当院ではホルモン補充療法(HRT*)や、漢方薬などを用いこのような加齢に伴う身体の変化を鈍らせ、若返らせ、健康に維持するよう、指導、管理、治療を行っています。

    HRTについて
    女性ホルモンには女性らしさを保つ卵胞ホルモン(エストロゲン)と排卵後卵巣から作られる黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があります。これらが協力し合って女性の生理的なバランスを保っています。
    しかしこれらのホルモンは閉経すると自分の身体ではほとんどつくられなくなってしまいます。その結果さまざまな障害が起こってきます。これらの障害を予防したり改善するために、HRTは、欧米ではすでに40年近く行なわれており、更年期症状のみならず、心臓血管系の障害や骨粗鬆症に対す予防や治療法としても十分に確立されています。
    日本でも一般的な治療法として実施されるようになってから、すでに10年がたとうとしています。有益な治療ですが、副作用にも配慮が必要です。HRTについて十分な経験をつんだ医師の下での治療が望まれます。

    不定愁訴

    女性の精神状態は女性ホルモンの影響を受けています。
    そのため多くの不定愁訴(いらいら、不眠、めまいなど)は女性ホルモンの異常によって起こっていることがめずらしくありません。先に述べた更年期障害や月経前緊張症候群などが代表的なものです。よくお話をお聞きし、ホルモン検査をなどを参考にし、原因を探り、そしてホルモン剤、漢方薬、精神安定剤などを駆使して治療を行っています。

    老年婦人の疾患

    最近の医学の進歩は、寝たきりの多くは産婦人科で予防できるとまでいわれるようになっています。
    すなわち、コレステロールを低下させて、動脈硬化を予防し、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞の発症を予防します。精神神経活動を老化させずに「ぼけ」を予防します。骨を丈夫にし、骨折を予防し、背筋がしゃんと伸びた姿勢を維持させ、寝たきりの原因を少なくします。産婦人科を受診して、ひ孫の世話をできるような、健康的な年のとり方をしましょう。

    骨盤性器脱(子宮脱・子宮下垂・膀胱瘤・直腸瘤・膣脱)

    加齢とともに骨盤底筋群の脆弱化が生じてきて、子宮・膀胱・直腸の下垂が起り易くなります。軽度の場合は骨盤底筋群を鍛える体操や、弾力性(みずみずしい)のある筋肉を回復させる女性ホルモンの服薬で、進行を防ぐことができます。
    手術を避けたい方や手術できない合併症(心臓病、重症の糖尿病、寝たきり状態など)があれば下垂・脱出を防ぐ器具(ペッサリー)の挿入を行います。
    しかし、違和感が強まり日常生活に支障をきたし、尿路系感染を繰り返す場合には手術が必要となります。従来から行われてきた手術は、膣から子宮摘出と膣壁形成を行うもので、おなかに傷つかないことや術後疼痛が少ないという優れた点がある反面、術後数年すると膀胱瘤、直腸瘤が再発することがあるといわれています。当院ではそういった再発を極力避ける術式として、膣断端を骨盤靭帯に固定する方法や膣断端をメッシュで仙骨という骨に吊り上げる方法を取り入れています。

    尿失禁

    尿の無意識あるいは不随意な漏れが、衛生的または社会的に問題となったものをさし、とくに40歳を境に急激にその頻度は増加しており(40%~50%)更年期以降の女性にとって大きな悩みとなっています。過活動膀胱、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、溢流性尿失禁の4つに分類されますが、それぞれ単独の病気ではなく、重なっていることもあります。骨盤底筋体操で治ることもありますが、殆んどは薬物治療が必要で、時に手術が必要となります。

    骨粗鬆症

    骨の量が減って骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気のことです。女性ホルモンは腸管からのカルシウムの吸収を助け、骨形成(骨の量を多くして骨を強くする)作用があります。45歳ごろより女性ホルモンの減少がおこるため、骨量も低下しだします。
    寝たきりの原因の第1位は脳血管疾患(38,7%)ですが、第2位は骨粗鬆症による骨折(13,2%)です。治療法は食事でカルシウムをたっぷりとることと、カルシウムの吸収をよくするビタミンDもあわせてとると効果的です。次に運動です。1日30分以上は歩いて下さい。短時間の日光浴も必要です。50~60歳位で自分の骨量を測って、 骨粗鬆症にならないよう工夫してください。骨量が低下している状態では、それぞれの生活習慣に合わせた治療を行い寝たきりにならないようにします。
    残念ながら骨粗鬆症と診断された場合にはビスホスホネート製剤や女性ホルモンによる治療が必要となりますが、各個人の年令や程度に合わせた治療を選択します

    腫瘍の診断・治療

    腫瘍とは「できもの」、「腫れ物」のことを意味します。悪性腫瘍と良性腫瘍に分類されてます。病気の種類により、それぞれの程度に応じた標準的な治療を行います。

    悪性腫瘍(癌)

    悪性腫瘍とは、いわゆる「癌」のことです。産婦人科領域の癌は卵巣癌、子宮体癌、子宮頚癌の3種類で98%以上を占めます。癌は頭のてっぺんから足先まで、どこからでも発生してくる可能性が有ります。
    発生する場所や癌のタイプにより、治療の困難な癌から簡単に治せる癌までいろいろとあります。幸いにも、子宮癌や卵巣癌では治療法の進歩によりかなり進んだ患者さまでも救命することができるようになりました。
    婦人科癌検診を定期的に受けていれば、初期で発見出来、婦人科癌で亡くなるようなことは少なくなっています。

    癌と診断された患者さまへ
    当科では日本婦人科腫瘍学会認定の婦人科腫瘍専門医、日本ガン治療認定機構ガン治療認定医により治療が行われます。また必要な場合には当院に在籍する抗癌剤による治療の専門医、および放射線治療の専門医と共同で治療いたします。また緩和病棟での治療も可能です。患者さまのQOL(生活の質)を十分考慮しながら、根治性(癌を完全に治癒する)を目指した治療法を行います。患者さまの強い希望に答えるべく当科で癌が診断されれば2週間以内に入院が出来るように最大限の努力をしています。
    子宮頸部異形成と診断された患者さまへ
    子宮頸部異形性とは数年後に子宮頸ガンになりやすい病態のことを言います。子宮頚部の表面には上皮という0.3mm程度の薄い膜組織があり、その上皮を構成する上皮細胞に異常細胞が出現してきます。肉眼ではその異常はわかりません。コルポスコープという拡大鏡でやっとわかる微小な病変で、疑わしい部位を狙って2-3mmの組織片をかじり取り(生検)、顕微鏡で調べます。
    異形性の程度は顕微鏡的に軽度、中等度、高度に分類され、高度ほど高率にガンに移行します。同じ程度でも異形性の原因となっているHPVの種類によってガンに移行する率が変わります。一般的には軽度異形性はガンに移行する率は低いので経過観察します。一方高度異形性はガンに移行する率が高いので円錐切除術が選択されます。中等度異形性は数ヶ月ごとに経過観察がされ持続すればレーザー蒸散術、または円錐切除術が推奨されていましたが最近は感染しているHPVの型を検討し、その検査結果で治療を行うかどうか判断しています。
    出血や痛みがあって、癌が心配な患者さまへ
    迷わず、婦人科を受診して下さい。癌でない方が多いのですが、病院を受診して心配を除いてしまえば気分が晴れてきます。

    良性腫瘍

    良性腫瘍とは、ゆっくりと大きくなるできものであり、子宮や卵巣だけに限局して発育するおとなしい腫瘍です。婦人科領域で多いものは、卵巣嚢腫と子宮筋腫です。
    手術が必要な場合は、基本的に腹腔鏡手術で行います。

    卵巣嚢腫
    卵巣嚢腫とは卵巣に液体が溜まって腫れ上がったものです。若い女性から高齢者まで幅広い年代に発生します。ほとんど無症状なので、多くは検診の時に偶然発見されます。まれに卵巣癌と区別が難しい場合には、開腹で手術を行うこともあります。
    子宮筋腫
    良性腫瘍の中でも最も多いのは子宮筋腫です。いわゆる「子宮のこぶ」です。子宮の壁には平滑筋という、分娩の時に収縮して赤ちゃんを押し出す筋肉があります。この平滑筋がこぶ状に膨れたものが子宮筋腫です。大きくなると生理の際の出血量が多くなり、貧血になることがしばしばあります。子宮筋腫だからといって必ずしも手術をする必要はありません。GnRHアゴニストの点鼻薬や注射薬で小さくすることも可能です。
    以下のような筋腫では手術を勧めることが多くなります。
    ・大きくて圧迫症状がある
    ・小さくても自覚症状(生理が多い、生理痛がひどい)や貧血がひどい
    ・妊娠がうまくいかない(不妊、流産)
    ・癌と区別がつけられないもの
    子宮全摘出と筋腫だけを摘出し子宮を温存する子宮筋腫核出手術があります。以前は開腹で行われておりましたが近年では低侵襲な腹腔鏡手術で行われることが増えてきました。
    腹腔鏡手術
    腹腔鏡手術は通常おへそから入れた内視鏡でおなかの中(腹腔内)を映しテレビモニターで観察しながら、下腹部2-3か所に5mmの切開から入れた鉗子を用いて婦人科では子宮や卵巣の病巣を切除する手術方法です。傷が小さい事から、ダメージが少なく(低侵襲)、傷が目立ちにくい、入院期間が短くなるといった点が強調されてきました。半面、開腹手術に比べ手術時間が長くなる、癒着や合併症で開腹術に切り替わることがる。適応疾患が良性疾患に限られるなどの問題もありました。もともと腹腔鏡手術は骨盤深部の死角をなくし拡大してはっきりみることができることから、開腹手術よりも繊細な手術を術中の出血を減らして安全に行うことができると考えられていました。近年、腹腔鏡器具の進歩や手術操作のノウハウの蓄積は目覚ましいものがあり、これまで適応外とされていた疾患(たとえば骨盤臓器脱や初期子宮悪性腫瘍)が、徐々に腹腔鏡で行われるようになっています。今後、当婦人科ではこれらの手術も積極的に行っていく予定です。
    子宮鏡検査と子宮鏡下腫瘍切除術
    子宮鏡検査は、直径3mmの細いスコープで、外子宮口から子宮内に挿入し、子宮の中を直視下で観察することができる内視鏡検査です。
    当院では「硬性鏡」と呼ばれるタイプで、これにより子宮内を全体的に観察することができます。
    子宮鏡が対象とする疾患には以下のものがあります。
    ・子宮筋腫(粘膜下筋腫)
    ・子宮内膜ポリープ
    ・子宮奇形
    ・その他の子宮内腔の病変
    子宮体ガンが疑われるも通常の検査でガンが発見出来ない場合、子宮鏡で観察し、異常部位を選択し組織の採取を行います。
    上記の疾患は、内診・経腟超音波検査でその病変の存在が疑われます。
    子宮鏡ではその病変を肉眼的に確認し、適切な治療方針を立てることができます。
    例えば、子宮筋腫では、子宮内腔への突出度をみることで、子宮鏡下に摘出できるか、開腹下に摘出すべきか、などの判断に役立ちます。
    子宮鏡下筋腫切除術
    子宮鏡検査で子宮内にポリープや粘膜下筋腫が認められた場合で子宮鏡下で摘出できると判断された場合、それを子宮鏡で検査しながら摘出する手術です。腟式に行われる手技ですので、開腹が必要でなく低侵襲性です。しかし本手術では術中麻酔が必要ですし、また術後の管理が必要ですので数日間の入院をしていただきます。

    その他

    避妊法の指導、避妊ピルの処方、避妊リングの挿入,抜去,緊急避妊ピル(モーニングアフターピル)なども含めできる限り多くのご婦人のあらゆる要望に答えたいと考えています。遠慮なくご相談してください。